
開発チームのパフォーマンスを最大化するマネジメント論のハナシ
noteをご覧の皆さん、Photosynth(フォトシンス)の広報をしています木下です。
Akerunに代表されるフォトシンスの製品やサービスの開発を担う開発チームは、IoT/クラウドというサービスの特性上、それこそハードウェア〜ソフトウェアまでのフルスタックのエンジニアが揃っています。
おおまかなカテゴライズで恐縮ですが、
ハードウェア:メカ、エレ、ファーム(組込み)、QA
ソフトウェア:(ファーム、)Web、モバイル(iOS/Android)、インフラ、QA
など様々な専門領域のエンジニアが集結し、日々開発に取り組んでいます。Akerunはハード〜ソフトまですべて自社開発なので、社内で全部作っています、ということですね。
そんな開発チームについて、個人的に
”開発チームの個々のメンバーに焦点を当てた情報発信をしてみたい”
とずっと思っていて、ついにこの記事へと結実しました。
そして実は、フォトシンスのエンジニアは割と筆マメなメンバーが多く、”エンジニアブログ”で色々と情報発信をしてくれていますが、今回のシリーズでは、そんなエンジニアブログから、メンバーそれぞれの想い、考え、嗜好、興味などがうかがい知れる記事を紹介していきたいと思います。
まずその1回目として、フォトシンスのWebチームを率いるVPoE 兼 開発部長の丹野による、
”開発チームのマネジメント”
についての記事をお届けします(一部再編集しています)。
フォトシンスの開発チームの片鱗が見える記事を通じて、ぜひ皆様にも開発チームの取り組みを知っていただければと思います。
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※以下の記事は、フォトシンス(丹野)のエンジニアブログの記事を再構成・編集したものです
開発部VPoEの丹野です。
私は今年でエンジニア21年目となりますが、ベンチャーから大手企業まで、複数の会社を通じて、大小様々なプロジェクトを経験しております。
ここ10数年は、主にエンジニアチームのマネジメントに従事してきて、マネジメントの難しさを地肌で感じるとともに、色々な案件を通じてマネジメントスキルを磨くことができました。
今回は、マネジメントに携わる上で、私が重要視していることを少しご紹介できればと思います。
マネジメントとは?
マネジメントとは?聞かれた場合、皆さんはなんと答えるでしょうか?経営学者P.F.ドラッカーによると、以下のような定義です。
マネジメント:組織に成果を上げさせるための道具、機能、機関
マネージャー:組織の成果に責任を持つ者
つまり、マネージャーは、組織の成果に注目し、その成果に責任を持たなければいけません。つまり、メンバーの動機付け、評価、育成などを通じて組織を作っていく役割を求められます。
マネジメントの課題
マネジメントは難しいとよく言われますが、具体的には、
・部下の育成が出来ない、仕事を任せられない
・組織目標やビジョンが打ち出せず組織をまとめられない
・組織間の調整がうまくできない
・上司と部下の間に挟まれる立場になり判断に困る
といったことを良く耳にします。
一見どれも重要な課題に感じますが、引き起こされる結果に注目する必要があります。これらが原因となって、組織の目標を達成できないことが最も重要なポイントです。
マネージャーは、組織の成果に責任を持つ者なので、組織の目標を達成すべく、様々な手段を講じる必要があります。
マネジメントに求められるスキル
マネージャーは自分の業務だけではなく、メンバーの業務と組織を管理する能力が問われます。プレイヤーからマネージャーに昇進すると、今までとは違う壁にぶつかります。部下を育てられずにいると、いつまで経っても自分の業務が減らず、結果プレイヤーとしての負荷が高くなってしまい、マネジメントの比率が低くなってしまいます。
この問題を解決するためには、マネジメントスキルを高める必要があります。

私のこれまでの経験から14のスキルに整理してみました。
マネジメントに求められる14のスキル(抄→詳細はエンジニアブログへ!)
見積管理
業務管理
指導・教育
業務改善
リスク対策
課題の発見と解決
トラブル収束
組織ビルディング
労務管理
経営理念の周知・徹底
予算管理
業務成果の適切な評価
適材適所への配置
戦略立案
マネージャーは、プロジェクトの進捗管理をしたり、リソースの管理をしたりすることにフォーカスされがちですが、もっとたくさんのことを求められます。
組織の成果を出すためには、このようなスキルを身につけて、業務を遂行していかなければならないので、マネージャーになったら自身の役割と必要なスキルを確認しましょう。
プロジェクトマネジメントで重要なこと
ここからは、もう少しスコープを絞って、プロジェクトマネジメントについても見ていきましょう。
私は、プロジェクトマネジメントの目的は、チームパフォーマンスの最大化だと考えています。限られたリソースの中でどれだけパフォーマンスを最大化できるかが求めらていると思います。
プロジェクトマネジメントで重要な三要素

・タスクを適切に振り分けること
・トラブルを未然に防ぐこと
・仕組み化を徹底し、無駄な時間を減らすこと
簡単にいうと”ムリ・ムダ・ムラの徹底排除”です。以下にもう少し詳細をお伝えします。
・タスクを適切に振り分けること
タスクを漏れなく洗い出し、期日やメンバーの育成などを踏まえて、適切にタスクを振り分けていかなければなりません。経験値の高い人にばかり頼っていては、中長期的に見たときに、チームとしてのパフォーマンスは最大化されません。
・トラブルを未然に防ぐこと
トラブルは、どんなにケアしていても起こってしまいますが、トラブルが少なければ少ないほど、計画はスムーズに進みます。ありとあらゆるリスクを想定して、未然に防ぐ努力をしましょう。
・仕組み化を徹底し、無駄な時間を減らすこと
同じような作業を、他の人が繰り返していることは、色々な現場でよく見かけます。テンプレート化したり、プログラムで自動化したりすることで、大幅に作業時間を減らすことができます。少しでも、無駄を削減できるように、常に仕組み化できないか考えることが重要です。
また、プロジェクトマネジメントをする上での心構えとして下記の点に注意しています。
・自分ができるから、他人もできるはずという考えを捨てること
・自分でやったほうが早いと思っても、自身の手を出さないこと
・チームが持っている力以上のことを求めないこと
・チームの課題は、チーム全体で取り組むこと
マネージャがやるべきことは、「方向性を示すこと」と「ジャッジメント」であり、自分自身で作業をすべきではありません。一方的に指示を出すのではなく、メンバーの思考停止が起きないように、チームメンバーで決めたことをやるようにしましょう。但し、何らかのリスクがある場合には、リスク観点について質問をすることで、リスクの存在と対策をメンバー自身で考えられるようにリードすることも忘れてはいけません。
現在のチーム力を把握し、それをベースにプロジェクトの計画を立て、中長期的にチームの戦力を強化していくことが重要です。目先の案件に捉われていると、いつまでたっても開発スピードが上がらなかったり、やりたいことができないなど、負のループに陥ってしまいます。
プロジェクトマネジメントにおける仕組み化
プロジェクトマネジメントの手法は色々ありますが、一番重要なのは、「タスクの可視化」と「課題の可視化」だと思います。
2つの可視化をする上で、私が必ず行なっている仕組みがあります。
・デイリーミーティング
・週次KPT(Keep・Problem・Try)ミーティング
デイリーミーティングでは、タスクのチケット化やチケット管理ツールを活用してタスク管理/可視化をしています。
KPTミーティングでは、メンバー全員を巻き込みながら、課題(Problem)を議論し、やること(Try)を合意し、良かったことを維持(Keep)していく、ということをやっています。
この2つのミーティングをやり続けるだけで、プロジェクトは割とうまく回ります。
ただ、これをずっと続けるのが難しいのです。期限が不明確でいつまで経っても終わらなかったり、完了の定義が曖昧で、終わったと思っても、実際には終わってなかったりします。管理者はタスクが確実に終わるまで、状況を正確に把握し、きっちり管理することが求められます。そして、ファシリテーションをしながら、課題の洗い出し方、解決までの思考などの教育も合わせて行っていくのがポイントです。

まとめ
マネージャーは、業務知識に加えて、コミュニケーション能力も求められる難易度の高い仕事ではあります。経歴もバックグラウンドも違う人、カルチャーの違う人など様々な人とお付き合いしていかなければなりません。
マネージャーという役割をしっかり理解し、マネージャーに求められるスキルを身につけ、メンバーのパフォーマンスを最大化させるために尽力するのが、プロフェッショナルなマネジメントだと思います。
これからもフォトシンスでは、開発チームの人員を増員していきますが、それに耐えうる組織づくりもしっかりしていきます。
スケールしていく組織の中で、強いチームでの働き方を体感したい方は、是非ご一緒しましょう!
フォトシンスでは、開発チームのメンバーをはじめ新たなメンバーを募集しています!詳細はぜひこちらの募集ページもご覧ください!